星川淳氏が選ぶGreenNews2008
1.北極海氷が史上2番目の面積に減少
いまや消滅が近づきつつあるとされる北極海氷だが、2007年の史上最小記録を塗り替えることはなかったものの、史上2番目の面積となり(ただし厚さの減少のほうがはるかに早いようだ)、温暖化の確実な進行を裏づけた。アルベド効果による正フィードバックは強まっている。
2.六ヶ所村プルトニウム再処理工場、本格稼動に入れず
反対と懸念の声を無視してアクティブ試験を続けてきたが、再処理工程も問題が多く本格稼動の延期を繰り返したうえ、ガラス固化体の製造工程がまったく未完成で、暗礁に乗り上げている。これにともない、プルトニウム混合燃料だけを使う大間原発の建設工事も延期。原子力は温暖化の解決策にならない。
3.調査捕鯨鯨肉横領疑惑
科学研究の名のもとに年間1000頭以上のクジラを殺す日本政府の国営「調査捕鯨」。その中で、大規模かつ長年にわたり鯨肉の横領が行われてきたことを、
内部告発にもとづいてグリーンピースが暴露した。証拠入手の方法をめぐって逮捕・起訴者を出したが、より大きな不正である横領は不問に付され、真相は09年の公判で明らかに?
星川淳(ほしかわ・じゅん)
1952年、東京生まれ。グリーンピース・ジャパン事務局長、作家・翻訳家。著書に『日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか』(幻冬舎新書)、『魂の民主主義』(築地書館)、『屋久島水讃歌』(南日本新聞社)、共著に坂本龍一監修『非戦』(幻冬舎)、訳書にP・アンダーウッド『一万年の旅路』(翔泳社)、R・ライト『暴走する文明』(NHK出版)、J・ラヴロック『ガイアの時代』(工作舎)ほか多数。1982年に鹿児島県屋久島定住、2005年より現職。
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