1)都市人口が世界人口の半分に
世界人口白書によると2008年は都市人口が世界人口の50%を超える記念すべき(?)年になるそうです。2050年にはその数が64億人に増えるとも言われており、持続可能な都市(サステナブル・シティ)をどう造っていくか、造り変えていくかが持続可能な社会実現のために最も重要なポイントのひとつです。この動きに中に、あらゆる「サステナブル・ビジネス」も生まれると思います。
2)京都議定書の約束期間に突入
2008年からいよいよ京都議定書の約束期間に入りました。残念ながら日本は減るどころか増えているのが現状です。国民の意識は高くなってきていると思いますが、いつまでも国民のモラルにのみ頼っていては追いつきません。国や自治体はインパクトある政策や制度で、企業は商品やサービスで、生活者が環境負荷が低く、かつ楽しく気持ちの良い暮らしを選べる選択肢をシステムとして提供していく必要があると思います。
3)農地制度改革プランの提示
現在、食と環境をテーマとした新著『たべものがたり』の編集をしており、日本にとって食問題は環境問題の根本にあると実感しています。日本は自給率はカロリーベースで40%、言い換えれば60%を海外に依存していることになります。農家の平均年齢も64歳で、あと5年もすれば日本の農業は瓦解するという人もいます。そんな中、12月に農水省が農地制度の「抜本改革プラン」 を提示しました。農地転用の規制は強化し、貸借の規制は緩和するなどが盛り込まれており、これが現実のものとなれば、株式会社などによる農地の利用が促進されるなど、様々な問題解決の糸口になるかもしれません。今後の動向が気になるニュースなので、取り上げさせていただきました。
上田壮一(うえだ・そういち)
Think the Earthプロジェクト プロデューサー
株式会社スペースポート 取締役社長/クリエイティブディレクター
1965年生まれ。1998年、宇宙からの視点でリアルタイムの地球を映し出す携帯ツール 「アースウォッチ」のプロトタイプを開発。2000年、ソー シャル・クリエイティブの拠点としてスペースポートを設立。2001年、水野誠一氏、坂本龍一氏らとともに、「エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに社会・ 環境問題の関心喚起を行う活動としてThink the Earthプロジェクトを開始。以後プロデューサー、ディレクターとして地球時計wn-1、写真集『百年の愚行』、書籍『1秒 の世界』、『世界を変えるお金の使い方』、『気候変動+2℃』、携帯アプリ「live earth」などのプロジェクトを次々と手掛けている。現在、2009年3月発行予定 のビジュアルブック『たべものがたり』を編集中。
コメント