谷口正次(たにぐち まさつぐ)
国連大学ゼロエミッション・フォーラム代表理事
1.国連総会で「先住民の権利宣言」圧倒的多数で採択、反対4票(US・豪・加・ΝZ)
20年間の念願かなった採択であった。(2007-9-13)世界の途上国に住む3.7億人の先住民族は、資源開発と自然環境破壊によって、ますます追い詰められている。この問題は単に先住民の人権問題に止まらず、CO2吸収源としての森林破壊、生物多様性の消滅、生態系破壊、水質・土壌の汚染など、人類共通の生命維持装置としての臨界自然資本の減耗といった、極めて大きな問題である。しかし、わが国では、ともすればCO2の排出と温暖化という側面にニュースが偏りがちであることは問題です。地球温暖化と生物多様性は密接不可分
2.国際生物多様性会議;(UNEP the Convention on Biological diversity)(2007-5-22)
会議の焦点は、生物多様性と気候変動。現在の生物多様性が消滅するスピードを2010年までに減速することを国際的に強力にコミットすることであった。
3.IPCC第四次報告;地球温暖化は人類の活動によるもの
4.オーストラリア、ラッド新首相、バリ島会議で京都議定書批准を正式表明
5.アメリカをはじめとする世界的な「原子力回帰」
コメント:
恐らくほとんどの人が3をトップに上げるでしょう。私も、大きなニュースでトップに上げても良いと思います。しかし、同じくらい大事なこととして、いま天然資源と生態系が豊かな途上国で起きている生物多様性の危機、そして人権・労働・環境・腐敗の問題を認識しなければならないと思いますので、あえてトップに挙げてみました。
ゴア氏の「不都合な真実」とノーベル賞については挙げません。日本に映画のこけら落としのために来て、2,000万円持って帰りました。同じことを、英国とオランダでやった時には一ドルももらわなかったのです。日本人を馬鹿にしていませんか。また、豪邸に住んでいるのはよいこととして、年間26万KWHの電力を消費しているのです。
結論的には、三つだけに絞ると、1、3、4でしょうか。
プロフィール
資源・環境ジャーナリスト(講演・執筆活動)。国際連合大学ゼロエミッション・フォーラム・産業界ネットワーク代表理事。千葉商科大学大学院客員教授、専門は資源・環境論。
オーストラリア、ニューカレドニアなど大規模金属鉱山の現場を年数回取材に出掛ける。
1938年東京都生まれ.1960年,九州工業大学鉱山工学科卒業.同年,小野田セメント㈱入社. 87年,資源事業部長に就任,各種鉱物資源関係事業を手がける.93年,常務取締役に就任,環境事業を立ち上げる.96年,秩父小野田㈱専務取締役.98年,太平洋セメント㈱専務取締役(研究開発・資源事業担当・環境事業管掌)02年、屋久島電工株式会社代表取締役社長。
著書に『入門・資源危機』(新評論),『資源採掘から環境問題を考える』(海象社)等がある。
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