■「生物多様性」がCSRのキーワードに
5月にドイツで開催された生物多様性条約COP9において、2010年のCOP10は名古屋市で開催されることが正式に決定。これを受けて、国内企業の間でも生物多様性が急速に注目。6月施行の「生物多様性基本法」の中でも事業者の責務が明記され、企業向けガイドラインの策定も始まる。積極的な企業の集まりである「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」も創立。(手前味噌ですが...(^^;))
■政府が低炭素社会の環境方針「福田ビジョン」を発表
昨年のクールアース50をさらに一歩進め、2050年にGHGを現状比60~80%削減などを柱とする福田ビジョンが発表に。欧州に比べるとまだ消極的なものの、日本も一歩前進。
■再生紙偽装問題と、それが引きがねとなってグリーン購入法見直しへ
環境に配慮する企業や消費者を馬鹿にする業界ぐるみの再生紙偽装が発覚。責任が明確にされないままうやむやに終わってしまったのは非常に残念だが、これが引きがねとなってグリーン購入法の基準が見直され、より本質的な「環境配慮」の基準が論議されるようになったことは歓迎したい。
足立直樹(あだち・なおき)
東京大学理学部、同大学院で生態学を学び、理学博士号を取得。1995年から2002年までは国立環境研究所で熱帯林の研究に従事。1999年から3年間のマレーシア森林研究(FRIM)所勤務の後、コンサルタントとして独立。多くの先進企業に対して、「どうすれば持続可能な社会に貢献できる企業になれるか」、「信頼される企業になるために、何をどのようにすべきか」を中心にコンサルティングを行っています。特に専門としているのは「企業による生物多様性の保全」と「アジアにおけるCSR」で、両者を結ぶ課題である「原材料調達配慮」や「サプライチェーンマネジメント」には特に力を入れています。
環境経営学会 理事、サステナビリティ日本フォーラム(旧GRI日本フォーラム)運営委員等を務め、(財)地球・人間環境フォーラムなどの客員研究員も兼務しています。
株式会社レスポンスアビリティ http://www.responseability.jp/
サステナ・ラボ(個人ブログ)http://suslab.seesaa.net/
企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB) http://www.jbib.org/