(1)国内金融機関による環境配慮の取り組みが加速
実際の記事の例:
http://csrfinance.cocolog-nifty.com/mirai/2008/02/post_332f.html
滋賀銀行による「カーボンオフセット定期預金」およびその預金を原資とした環境配慮型融資、三井住友銀行のCO2排出量取得を組み込んだ国債の発売など、洞爺湖サミット開催のタイミングに合わせる形で国内金融機関による環境配慮型商品の発売が相次いだ。こうした動き自体はもちろん歓迎するべきことであるが、一過性のものに終わらせず、恒常的な取り組みとしていくことが大事だ。
(2)米国の民間組織が「世界の金融機関の温暖化対策ランキング」を発表
実際の記事の例:
http://csrfinance.cocolog-nifty.com/mirai/2008/02/post_bdc6.html
環境保護団体や投資家等で構成される米国の民間組織「セリーズ」がレポート"Corporate Governance and Climate Change: The Banking Sector"を発表。世界の大手銀行40行中、日本のメガバンクは、三菱UFJフィナンシャル・グループは22位、三井住友フィナンシャル・グループは24位、みずほフィナンシャル・グループは30位と低評価であった。日本のメガバンクの評価が特に低かったのは、経営層の温暖化問題に対するコミットメントや組織体制についての項目。(1)で紹介したような、個別の環境配慮型金融商品の開発も重要であるが、これからはより実効的な対策の立案・実施のために、メガバンク内部の体制を強化することが求められる。
(3)クラスター爆弾禁止条約が日本も賛同する形で成立。12月にオスロにて署名式が開催
実際の記事の例:
http://www.asahi.com/international/update/1205/TKY200812050135.html
その非人道性が国際的にも認知されているクラスター爆弾。海外の大手金融機関(ベルギーのKBC、フランスのAXA、オランダのINGなど)では、クラスター爆弾製造企業を投融資対象から除外しようとする取り組みも進んでいる。また、ニュージーランドの年金基金も、政府の禁止条約署名を受けて、投資対象から製造企業を除外する方針を発表した。日本も同条約に賛同・署名したことから、国内のメガバンクや年金基金にも同様の取り組みが求められよう。
土谷和之(つちや・かずゆき)
1977年生まれ。民間のシンクタンクに勤務する傍ら、国際青年環境NGO A SEED JAPAN理事、(特活)まちづくり情報センターかながわ理事として活動。A SEED JAPANではエコ貯金プロジェクトを担当し、キャンペーン活動や金融機関への提言などを実施。著書に「おカネで世界を変える30の方法」(共著、合同出版、2007)、「おカネが変われば世界が変わる」(共著、コモンズ、2008)。その他に金融CSR、ソーシャルファイナンスに関連する寄稿、講演など多数。
コメント